キット・リード(Kit Reed)は1932年生まれの女流作家。本名はリリアン・クレイグ・リード(Lillian Craig Reed)で元新聞記者。SF以外の著作でよりその名を知られている。(Shelley Hyde名義でホラー作品"Blood Fever"、Kit Craig名義でサイコ・スリラー"Gone"、"Twice Burned"、"Strait"、"Closer"などがある)'58年F&SFに短編"The Wait"("お待ち"として邦訳あり)を発表し、以後同誌を中心に短編を発表していった。長編は"Tiger Rag"が"ドロシアの虎"(サンリオSF文庫)として邦訳された。SF作品"Little Sisters of the Apocalypse"と中短編集"Weird Women, Wired Women"ではティプトリー賞の最終候補に選ばれている。また、"Thinner Than Thou"は2005年度のA.L.A. Alex Award(米国図書館協会内のヤング・アダルト部門により選定されるティーンエイジャー向けの作品)を受賞した。
新聞記者としてはニューヘヴン・レジスター誌のレポーターを勤め、'58, '59年度の最優秀ニューイングランド婦人記者に選出された。'64-'65にかけてはグッゲンハイム特別研究員を勤めた。また、アメリカ人で最初のAbraham Woursell基金の文学助成金を5年間にわたり交付された。ウェスリアン大学の英語の講師も勤めている。
ジュディス・メリルによれば、敏活でほっそりした身だしなみのいい婦人で、カジュアルだが上物のスカートとセーターの似合うニューイングランド人。夫は温厚でウィットに富んだパイプ党の英語学教授で三人の子持ち。(1968年の年刊傑作選、邦訳では創元推理文庫の年刊SF傑作選7より)ちなみに、収録された"肥育学園"について、メリルは「どうしてあなたのような世界に住む人が、あんなにわたしの世界をよく知っているのか?」と手紙を書いたとあるが、創元推理文庫の年間SF傑作選2のカバー折り返しにあるメリルの写真をみて納得した次第。
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また、コニー・ウィリスによるWeird Women, Wired Womenへの序文は、キットの作品の魅力をあますところなく伝えてくれます。