Mischief Malicious


1991年にUnited Mithologies Pressより刊行





 '91, ISBN: 0-921322-18-6(trade)/19-4(signed), Illustration: R. Ward Shipman

 '91に発行された作品集。限定330部(80部サインつき)。"Mischief Malicious"(悪意ある悪戯)と題された表紙をめくると、"...and Murder Most Strange"と副題が顕れる。主に犯罪や殺人を扱ったミステリとホラー系の作品が集められている。

収録作品:
 Tom O'Shanty's Aura (review)
  初出時の原題は"The Man with the Aura"。
 The 99th Cubicle (review)
  初出はWeird Tales, '84/Fallの筈だったが、"legal reasons"のため販売されなかった。その後、同誌は流出ものが出回ったが、オフィシャルには本作品集が初出となる。さて、困ったことにWeird Talesのヴァージョンと本作品集のヴァージョンでは些細だが重大な差異がある。Weird Talesヴァージョンにあったラスト一行が本ヴァージョンでは削られているのだ。この一行の有無で、オチのついた秀逸なショートショートか、はたまた余韻をもたせた幻想譚かと、全く異なった読後感になってしまう。単なる落丁なのか、意図的な改作なのか、あるいは雑誌掲載時に編集者の意見でオチをつけたのか?Weird Tales, '84/Fallを入手している方は非常に少ないと思うので、以下に同色フォントで削られた最後のセンテンスを挙げておく。"If one could get out."
 Fog in My Throat (review)
 Oh, Those Trepidatious Eyes! (review)
 Buckets Full of Brains (review)
 Pine Castle(パイン・キャッスル)
 Junkyard Thoughts (review)
 Enfant Terrible(恐るべき子供たち)
  本作はEQMM '71/6初出時の原題が"ENFANTS TERRIBLES"だが、本編では語尾のsが両方ともとれた"Enfant Terrible"になっている。コクトーの恐るべき子供たちの原題が"Enfants Terribles"で、Enfant Terribleは意味的に過激思想の持ち主といった感じになるので、内容からも"Enfants Terribles"がいいよう思われるのだが。
 追記:"Enfant Terrible"と"Enfants Terribles"は、単に単数形と複数形の違いでした。"Enfant Terrible"には"過激思想の持ち主"の意味もありますが、やはり"恐るべき子供"が本義。主人公のカーナディンひとりが"恐るべき子供"に該当するから、再録時に題名を訂正したってのは深読みか?(詳細はこちら
 The Polite People of Pudibundia(プディブンディアの礼儀正しい人々)
  居住世界シリーズプディブンディアが舞台。
 Rang Dang Kaloof (review)
  初出時の原題は"Rangle Dang Kaloof"。なぜか、語尾のleがとれている。(いったい、なんて発音するのだろう。どちらも「ラン・ダン・カルーフ」かと思っていたが。)
 Puddle on the Floor(床の水たまり)

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