マイ・ベスト3
全回答26名(だいたい到着順・公開不可を除く24名のコメント) 段組み替えと題名等の校正のみしていますが、乱丁、不都合等ございましたら直ちに訂正いたします。
松崎健司、AMEQさん、福永裕史さん、hemurinさん、ピョン吉@岡山さん、山上の雨蛙さん、拝名和巳さん、河本さん、湯川光之さん、倉田タカシさん、PUMPKINさん、鈴木 力さん、ベロニカさん、春のレプリカさん、NALさん、Arteさん、魚蹴さん、nocさん、エスねこさん、πRさん、天川和久さん、まうご犬さん、Thinkさん、加藤隆史さん
追記:〆切後にいただいたご回答については、集計外となりますが追加させていただいております。
推箱子さん、天辺掛高さん、Rqさん、虹釜太郎さん、tontataさん、ささりんどうさん、けんけんさん、habuさん、知久佳弘さん
集計結果はこちら。
松崎健司(とりあえず、ラファティ)(36歳・男性・放射線科医)
「うちの町内」
「草の日々、藁の日々」
「Gray Ghost: A Reminiscence」
自分で募集しておいて何だが、三つに絞るのがかくも難しいとは! 悩み抜いた末に、まず一篇。こんな、けったいな小説があるんかいなって、僕にラファティを強烈に印象付けた作品として、「うちの町内」。教育カリキュラムの羅列という特異な形式の「カミロイ人の初等教育」、幕切れの科白"あれはただの劇的効果"が秀逸な「七日間の恐怖」、研究所シリーズでは僕にとっての最高作で、構成の見事な一品「その町の名は?」の三作を次点とする。ちなみに、「その町の名は?」は最初に読んだとき、"シカゴ"というエピクトの解答に対し、みんなが過剰に反応するのにやや違和感を感じていた。これは、初読時から15年以上も過ぎて、実際にシカゴに行ってみて氷解。"シカーゴゥ"という発音は、たしかにヴァレリーの言うように"小さなビーバーが...水にはまった音みたい"だったのだ。
ラファティの「わけわからない」けど魅力的な作品群の代表として、「草の日々、藁の日々」。ラファティ作品に繰り返し顕れる「特別の日」ものとして、最も完成度が高い。「とどろき平」、「つぎの岩につづく」、「Flaming Ducks and Giant Bread」あたりが次点かな。
三作目は、まだあんまり紹介の進んでいないラファティ幼少時の郷愁と幻想味溢れるマジック・リアリズムものとして、「Gray Ghost: A Reminiscence」。次点として、「昔には帰れない」を。
AMEQさん(翻訳作品集成)(44歳・男性・営業)
「みにくい海」
「九百人のお祖母さん」
「うちの町内」
やはりどうしても初期短編に偏ります。
多大な影響を受けたのは、他にもありますが、みっつ選べとなると上記になります。どうしてもはずせないのは「みにくい海」です。
わけのわからない短編は、お恥ずかしいのですが、けっこうあります。
中でも、「つぎの岩につづく」だの「われらかくシャルルマーニュを悩ませり」は苦手。
ここで読み返したりしてなので、なんとも言えないのですけど。
福永裕史さん(16歳・男性・学生)
「スロー・チューズデー・ナイト」
「太古の殻にくるまれて」
「千客万来」
次点.うちの町内(もしくは)マクグルダーの奇蹟
わからないラファティ:
究極の被造物(オチがよくわかりません)
意思と壁紙としての世界(同上)
ダマスカスの川(同上)
奪われし者にこの地を返さん(話に乗れません)
スナッフルズ(何も全員殺さんでも・・・と思いました)
つぎの岩につづく(やっぱりオチが・・・)
・・・こうしてみると自分はちゃんとしたオチというかまとまりが欲しい「九百人」型リーダーですね。
読んでみたい未訳短編:
One-Eyed Mocking-Bird, Marsilia V, Bird-Master, The Doggone Highly Scientific Door, Symposium, McGonigal's Worm, Maleficent Morning, Faith Sufficient, Quiz Ship Loose
・・・言いたい放題ですいません。
じつは僕は「悪魔は死んだ」も「イースターワインに到着」もSFマガジンの「ラファティ特集」も「ラファティ笑タイム」も読んだことないんです・・・。
あああと五年早く生まれていれば。
hemurinさん(27歳・男性)
「床の水たまり」
「完全無欠な貴橄欖石」
「彼岸の影」
僕にとってラファティという作家はつまらない作品がひとつもないという貴重な作家です。
ラファティの翻訳全短編のリストから傑作、怪作、取り合わせて選んでみました。
「床の水たまり」ラファティ流家庭小説?ラストのぶっ壊れかたがスゴイ。
「彼岸の影」内宇宙冒険小説という感じで大好きです。
1. あなたにとって、ピンとこない(わからない)短編は?
「ほとんど完全殺人」
2. 読んでみたい未訳短編は?
ラファティのアンファンテリブルが大好きなので、子供の出てくるものを読みたいですね
ピョン吉@岡山さん(50歳・男性・歯科医師)
「豊穣世界」
「世界の蝶番はうめく」
「九百人のお祖母さん」
ちょっと月並みかも(爆)
わけがわからないという短編は無いというか、わけがわからないところも魅力だったりしますので。しいて言うと長編の『トマス・モアの大冒険』^^;
不純粋科学研究所シリーズをどんどん邦訳して欲しい(^o^)/
ラファティ氏の短編集は、時々取り出して読むとまた別の面白さがヽ(^o^)丿
山上の雨蛙さん(37歳・男性・事務員)
「一期一宴」
「うちの町内」
「テキサス州ソドムとゴモラ」
SFマガジンでラファティ特集なんて夢のようです。
どうせ生き返るんだから追悼なんて付けなきゃいいのにとは思いましたが。
1. あなたにとって、ピンとこない(わからない)短編は?
たくさんありますが、上下逆さまに持って読んでたのかもしれません。
2. 読んでみたい未訳短編は?
All Hollow Though You Be, And You Did Not Wail, Bird-Master, Bubbles When They Burst, Buckets Full of Brains, Cabrito, Calamities of Last Pauper, Crocodile, The Emperor's Shoestrings, Ewe Lamb, For All Poor Folks at Picketwire, Goldfish, Great Day in the Morning, Heart of Stone, Dear, I Don't Care Who Keeps the Cows, In Deepest Glass, John Salt, Junkyard Thoughts, Magazine Section, Make Sure the Eyes Are Big Enough, The Man Who Made Models, The Man Who Walked Through Cracks, Marsilia V, The Most Forgettable Story in the World, Mr. Hamadryad, Mud Violet, The Ninety-Ninth Cubicle, Oh Tell Me Will It Freeze Tonight, One-Eyed Mocking-Bird, The Only Tune That He Could Play, Or Little Ducks Each Day, Quiz Ship Loose, Rainy Day in Halicarnasses, Rangle Dang Kaloof, Scorner's Seat, Six Leagues from Lop, Slippery, Smoe and the Implicit Clay, St. Poleander's Eve, Task Force Fifty-Eight and One Half, This Boding Itch, Thou Whited Wall, Tongues of the Matagorda, The Wooly World of Barnaby Sheen
(いや数の制限がなかったもんでつい…)
拝名和巳さん(Fairyism)(30歳・男性・消化器内科医の見習い)
「みにくい海」
「ブリキ缶に乗って」
さっそく回答と行きたいのですが、自分の好きな短編、2つまでは絶対確定です。
この2つの自分の中での優劣はつけようがないし、また3つ目を選ぶのはひどく困難です。
なので2つだけの回答とさせてください。
次点は、他の作品すべて、です。
未訳短編で読みたいもの、については、あまり原著に詳しくないのでわかりません。すみません。
ラファティの作品で難解と思うもの。いちど邦訳というものを通しているので、実際に難解かどうかわからない部分もあります。邦訳のものを読む限りでは、
・豊穣世界
が難解かつ魅力的です。
ラファティは、ハヤカワ文庫の「SFハンドブック」というものを見て、ヒドク面白そうだと思って読んでみたのが最初です。
ファンタジーの原点を見る思いです。ラファティの作品は、ファンタジーであることに慣れてしまった、だれた作品たちに力を与える、超強力な生命力エキスだと思っています。
河本さん(ゆりがおか有理友愛数研究所)(男性・スーガク者)
「長い火曜の夜だった」(「スロー・チューズデー・ナイト」)
「完全無欠な貴橄欖石」
「他人の目」
o 女の子、数学者、覗き屋、偉人、あと一人誰か居たような……がそれぞれ自分の見方で見ているこの現実世界のありさまをラファティふうに描写したお話。
芥川の「藪の中」とか、シェクリーの、剣士、僧侶、ビジネスマンが道ですれ違った場合の三様の対応の話と同じコンセプトだと思う。
(注・「他人の目」についてのコメントを、河本さんのすうろん掲示板から転載させていただきました。)
湯川光之さん(怒れクラウンライターズ)(29歳・男性・会社員)
「その町の名は?」
「七日間の恐怖」
「他人の目」
三篇とも『九百人のお祖母さん』収録作であるのには、本の山の中から『どろぼう熊の惑星』と『つぎの岩につづく』が出てこず再読ができなかった、という事情もあるのですが、もともと『どろぼう熊』『つぎの岩』はピンとこない(わからない)率が高かった記憶があります。
倉田タカシさん(deadpop archives)(30歳・男性・イラストレーター)
「その町の名は?」
「スロー・チューズデー・ナイト」
「町かどの穴」
「その町の名は?」
バカ笑いの向こうに髑髏のように浮かび上がってくる
大惨事の影、というコントラストの美しさが大好きで、
自分にとってのオールタイム・ベストです。
「スロー・チューズデー・ナイト」
消費社会ってつまりこういうことなのか!という、正しいんだか
正しくないんだかよくわからない認識を心に深く刻まれました。
こんな風に回転の速い社会では、例の「泉」が涸れ果てるのも
さぞかし早いだろうと思ったものでした。
「町かどの穴」
繰り返しのバカバカしさが好きです。訳もそのあたりを
うまく引き出しているんじゃないでしょうか。
最初のひとつには迷わないのですが、あとの2つはもうどれが入っても
同じという気持ちです。ピンとこなかった作品すら大好きです。
とは言え、実はハヤカワの短編集3冊以外では
「トマス・モアの大冒険」しか読んだことがありません。
「地球礁」の出版がとにかく楽しみです。
アンケート:
1. 「コンディヤックの石像」
2. エピクトが大好きなので、博士シリーズのもの
PUMPKINさん(Muuka.Com)(28歳・女性・主婦)
「その町の名は?」
「他人の目」
「カミロイ人の行政組織と慣習」
かなり前に読んだ物が多いので結構忘れていましたが
読み返してみたら良いものが多すぎて選ぶのに迷いました。(笑)
ラファティー最高!
鈴木 力さん(30歳・男性・SFセミナースタッフ)
「昔には帰れない」
「われらかくシャルルマーニュを悩ませり」
「秘密の鰐について」
「昔には帰れない」は中学生のころSFMで読んで、切ないノスタルジーに胸をうたれた。ラファティにそういう普通の小説のような感動を求めていいのかよくわからないが、好きな一篇。「われらかく〜」は改変世界テーマに対する素朴な疑問(過去が改変されたら、それをどこで知るんだ?)を解決してくれた(または痛快に蹴っ飛ばした)作品。「秘密の鰐について」は凡百のトンデモ陰謀論をぬけぬけと脱臼させてしまう図太さが好きです。
ベロニカさん(女性)
「千客万来」
「豊穣世界」
「床の水たまり」
他にも山ほど、三つに絞るのは大変です。
ハンドル名は<ベロニカ>にして下さい、<クロコダイルとアリゲーターよ、クレム>より
この作品も好きです。
ピンとこない短編
寿限無、寿限無 意志と壁紙としての世界 草の日々、藁の日々
ダマスカスの川 など
春のレプリカさん(25歳・男性)
「みにくい海」
「草の日々、藁の日々」
「ブリキ缶に乗って」
…一応順位もつけてみましたが、やはり甲乙つけがたいので順不同という感じです。
話の面白さ、読んだときの(自分の)衝撃度、語りの魅力、などを基準に選んでみたのですが、大好きな「スローチューズデーナイト」「つぎの岩につづく」「断崖が笑った」「われらかくシャルルマーニュを悩ませり」(というか研究所シリーズ)が入らないなんて自分でもびっくりです。好きな作品が多すぎて、ベスト10でも難しいと思われますが…。
ピンと来ない短編は、特に思い浮かばないです。長篇のパストマスターは自分にはちとムズかしかったですが…。
翻訳希望の短編、リビューを拝見させていただきながら、あれこれ考えてみました。
The Only Tune That He Could Play (or well, what was the missing elemennt?)を読みたいです! Magazine sectionや 、Assault on Fat mountainあたりも滅茶苦茶気になるのですが…。とりあえず、ひとつに絞らないと意味がないので、エイヤっと決めてみました。
NALさん(辺境の人々)(39歳・男性・ただのSFファン)
「ぴかぴかコインの湧きでる泉」
「世界の蝶番はうめく」
「クロコダイルとアリゲーターよ、クレム」
「ぴかぴかコインの湧きでる泉」に一票
おそらくこれが、ラファティとのファーストコンタクトだと思います。
そのせいか、ラファティの作品の中で突出して好きです。
何度読んでも笑える。
よくわからない短編は「九百人のお祖母さん」です。
まだわかりやすい方だとは思うのですが、真っ先に思い浮かびました、
最後の所でなぜ恐れているのかよくわかりません。
Arteさん(息をするタピオカ)(女性)
「スロー・チューズデー・ナイト」
「寿限無、寿限無」
「世界の蝶番はうめく」
『カミロイ人の初等教育』を入れるかどうかで迷ったのですが、結局上記のようになりました。
ついでにアンケート:
1. たいがいわからないので、なんとも…
2. And All The Skies Are Full of Fish、And Some in Velvet Gowns、Bright Flightways、Tongues of the Matagorda、The Wagons
魚蹴さん(日々是魚を蹴る)(男性)
「カミロイ人の初等教育」
「秘密の鰐について」
「断崖が笑った」
すごく好きな短編を並べたはずが、なんだか考えオチっぽいひねくれた選択に。あれー。
ついでにアンケート:
1 印象が薄い話はいくつかありますが、ぱっと思い浮かびません。
2 正直、全部訳してほしいのですが……
And Mad Undancing Bears等、アンソロジーに寄稿された作品は
普段と毛色が違って面白そうです。
nocさん(32歳・男性・音楽ソフト販売業)
「スロー・チューズデー・ナイト」
「カミロイ人の初等教育」/「カミロイ人の行政組織と慣習」
「忘れた偽足」
悩みに悩んだのですが、優柔不断な性格につき
15作品から絞りこめませんでした。
順不同ですが、上の3作品の投票とさせてください。
他の作品は、補欠ということで、ひとつよしなに...。
■「スロー・チューズデー・ナイト」
疾走感溢れる傑作。読後タイトルを見なおして爆笑しました。
ラファティのSFはどんなに破天荒な世界を描いても現実世界と
地続きな感が必ずあるところが、他の作家との違いかなと。
■「カミロイ人の初等教育」
■「カミロイ人の行政組織と慣習」
すみません、セットで1作品として。。。
藤子F不二雄のSF短篇にも通じる常識をあざ笑うかのような
痛快な正論があまりに面白すぎ!
■「忘れた偽足」
ラファティとしては珍しい傾向の作品かもしれませんが、
伊藤典夫さんの解説にあるようにカソリック教徒としての
側面が伺えるところが新鮮でした。
読み終えたとき何故か涙したほど心に響きました。
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■「われらかくシャルルマーニュを悩ませり」
<研究所>シリーズは全部好きですが、
この作品のアホらしさと繰り返しギャグにも
似たしつこさがたまらなくツボです。
■「その町の名は?」
読んだとき「これが俺の求めていたSFだ!」
と強く感銘を受けました。すばらしすぎる。
■「レインバード」
多分どんな国のどんな年代の読者でもこの作品の面白さは
わかるだろうな、と思わせるほど分かりやすい。
まさに昔話のように長年語り継がれてきたような
洗練された名作だと思います。
■「素顔のユリーマ」
初めて読んだラファティ作品でした。
シンプルでわかりやすいプロット、痛快なラスト、
御伽噺のようでなぜかリアルな手触りが心地良い。
ラファティ作品によく出てくる生意気な機械たちがたまりません。
■「意志と壁紙としての世界」
■「草の日々、藁の日々」
両作品とも多分1/3も理解してないと思いますが(汗)
吾妻ひでおの短篇にも似た雰囲気に酔いしれました。
■「このすばらしい死骸」
■「寿限無、寿限無」
■「秘密の鰐について」
■「豊穣世界」
■「夢」
■「アダムには三人の兄弟がいた」
■「トライ・トウ・リメンバー」
もっともっとラファティ作品を読みたい!
ついでにアンケート
1. あなたにとって、ピンとこない(わからない)短編は?
■「断崖が笑った」
もちろん他の作品もすべてわかってるわけではないのですが、
全くひっかかるところがなかったです。
読み終えるのが正直つらかった記憶が...。
2. 読んでみたい未訳短編は?
"The Man Who Walked Through Cracks"
「トライ・トゥ・リメンバー」に続編があると知って驚愕しました。
是非読んでみたいです。
それ以外では、
・アウストロのシリーズ
・<研究所>シリーズ
は勿論ですが、紹介文を拝読し、
"Crocodile"
"For All Poor Folks at Picketwire"
"The Hand with One Hundred Fingers"
など激しく読みたいと思いました。
ムシのいいお願いですが、、、。
エスねこさん
「日の当たるジニー」
「スロー・チューズデー・ナイト」
「氷河来たる」
※3番目はどうにも決めきれないので、記念的作品という事で…。
※ついでに長編は、邦訳3作の中では『パスト・マスター』がダントツですね。
私の人生を完全に変えてくれた作家です。誰よりも素晴らしく、誰よりも恐ろしいと
いう以外に何も言うべき事はありません。
意外に評価されていない側面として、構造地質学とか考古学面での豊富な知識と描写が
ありますね。私は「けっこうハードな作品を書く人だなあ」と思ってます。
ここからいなくなってしまっても悲しくならないのは、ラファティだからこそでしょうね。
願わくば天国ででも地獄ででも、浴びるほど酒を飲んで頂きたいものです。
【難解ベスト3】
1:草の日々、藁の日々
2:ダマスカスの川
3:時の六本指
※長編ではやはり『イースターワインに到着』か…。
πRさん(thePoetasterIsaRomanticist)(28歳・男性)
「つぎの岩につづく」
「われらかくシャルルマーニュを悩ませり」
ついでにアンケート
1.町かどの穴
2.不純粋科学研究所シリーズもの全般
天川和久さん(35歳・男性・内科医)
「スナッフルズ」
「スロー・チューズデー・ナイト」
「むかしアラネアで」
ピンとこない短編>
ピンとこない訳ではないのですが「町かどの穴」は
世評ほど良いと感じられなくて・・・
未訳短編>
紹介をされていること自体が凄いです。
Scorner's Seatが読んでみたいです。
まうご犬さん(まうごてん)(♀・30代後半・自営業(デザインしたり図面かいたり))
「草の日々、藁の日々」
「クロコダイルとアリゲーターよ、クレム」
「われらかくシャルルマーニュを悩ませり」
この三つでいいのか?いいのか?他にもいい作品がいっぱいあるのに?
もう一度、とにかくもう一度全部読み直してから・・・ああっ
致命的に読む速度がおそいっ・・間に合わないよ・・ええいっ!
スミマセン・・、こんな選び方で。
上記の3作品のうち、
1は、文を絵に置き換えて想像したときの極彩色ぶりがなんとも言えず好きです。
2は、私にとってたぶん唯一のすんなり理解できた作品(・・ホントか?)
3は、エピクトは我が家のヒーローです。
ついでにアンケート
1. あなたにとって、ピンとこない(わからない)短編は?
何度かチャレンジしたものの力尽きたのは・・
「また石灰岩の島々も」
だけど「わかった!」と大声で言えるものは・・実は一つも無いかも。
2. 読んでみたい未訳短編は?
・不純粋科学シリーズのものはすべて
・The Emperor's Shoestrings
ラファティの十八番的な感じなのかなあ?
・Endangered Species
絶滅寸前種には興味ありますから(笑)
・The Ninety-Ninth Cubicle
以前インテリアデザインもやってましたから(笑)
・Oh Tell Me Will It Freeze Tonight
絶対まちがいなく理解不能っぽい感じがしますから(笑)
Thinkさん(37歳・男性)
「このすばらしい死骸」
「アロイス」
「七日間の恐怖」
「このすばらしい死骸」
不思議な発端から、それが明らかになっていく時の恐怖。
軽いタッチで書かれていますが、読めば読むほど恐い短編です。
読み終わったあとも、永遠に、輪廻のように続くのではないかと
思わせる怖さに痺れました。
「アロイス」
地味な掌編だと思うのですが、初めて読んだラファティ短編(奇想
天外誌で読みました)なのでとても強く印象に残っています。
言葉のトリックには、見事に騙されました。
「七日間の恐怖」
短編ながら、ラファティらしいスケールの大きさは見事。
何と言っても最後の1行には大笑いしました。
加藤隆史さん(異次元を覗くホームページ)(男性)
「カミロイ人の行政と慣習」
「寿限無、寿限無」
「ダマスカスの川」
ラファティにはコードウェイナー・スミスとか、C・S・ルイス(って、こっちはそんなに読んでませんが)とかに通じるものを感じます。結構、直接的に自説を表明していて、それがなんとはなしにものがなしさにつながってくるところが好きで、1を選びました。
2,3は純粋に楽しさを優先して、ですが、3については、もう少し裏がありそうですね。
アンケート
1.「アロイス」「山上の蛙」「断崖が笑った」
……この前、SFセミナーでうかがった話をヒントに読みなおせば、また違った面が見えてくるのかもしれず。
2.は選べません……。すいません。
推箱子さん(47歳・男性・会社員(技術系)、デブでもアル中でもないが、みにくく年を取りつつある...)
「外には緑色の雨が」(「夢」)
「素顔のユリーマ」
「今年の新人」
第1位 「外には緑色の雨が(夢)」
「夢と現実」がモチーフの傑作です。
よくあるテーマだと言う人もいるかもしれませんが、それなら
「レインバード」も「われらかくシャルルマーニュ・・・」も
オリジナルのアイディアではないから評価が低いことになって
しまいます。
主題そのものではなく料理の腕がすばらしいと思います。
第2位 「素顔のユリーマ」
講談社文庫で読みました。
出だしからラストまでたまらなく面白い。
また、アジモフ博士の序文も笑えます。
第3位 「今年の新人」
他に「うちの町内」「秘密の鰐について」「寿限無、寿限無」
「恐怖の七日間」なども気にいっていますが、悩んだ末
この作品に決めました。
今回読み直そうとしましたが、掲載誌が見つからず残念。
天辺掛高さん(40歳・男性・自由業)
「一期一宴」
「七日間の恐怖」
「ブリキ缶に乗って」
ラファティに三つというのは酷ですが、まず一つは、「一期一宴」。
ラファティが死んだとは容易に信じられないのはこの作品があるからでしょう。ラファティもまた、八十うん年の「一宴」を終えて、次の「一宴」を迎えるためにどこかの砂浜で眠っているのかもしれません。だったらなにも悲しむ必要はないし、次なる「一宴」が来るまでは残された作品を楽しむべきしょう。
あとはもう選びきれないので、とりあえずの選択ということで。
アンファン・テリブルものの代表として「七日間の恐怖」。
民俗学的な語り口から、狂騒に満ちたブラックな殺戮劇に突入するあたりが圧巻な「ブリキ缶に乗って」。
(「スロー・チューズデー・ナイト」「町かどの穴」「寿限無、寿限無」「みにくい海」「断崖が笑った」「秘密の鰐について」「公明にして正大」「豊穣世界」も捨てがたいですが)
ピンとこない作品はやはり「意思と壁紙としての世界」「ダマスカスの川」あたりですか。
読んでみたい未訳短編は、(松崎さんの紹介文を拝見しますと、全部読んでみたくなってしまうのですが)
Assault on Fat Mountain
Bird-Master
Gray Ghost: A Reminiscence
Great Day in the Morning
Lord Torpedo, Lord Gyroscope
Maleficent Morning
The Man Who Lost His Magic
Marsilia V
Tongues of the Matagorda
Rqさん(19歳・男性)
「断崖が笑った」
「レインバード」
「七日間の恐怖」
ベスト短編、上から三つ、です(2位と3位は僅差なんですが)
断崖が笑った、が一位の理由はなんというか、『自分が小説に求めるものの全てがつまってる!』と呼んだ瞬間に叫んだから(苦笑)。
レインバード、は「ラファティお得意の三段展開の最高傑作短編だから」、です。
七日間の恐怖、はやっぱり「最後のセリフを読むためのお話としての完成度の高さ!」が理由です。(理由がよくわかりませんね…)
虹釜太郎(ニジカマタロウ)さん(360'records主宰。「カチャマイ」レーベルスタッフ)
「みにくい海」
「草の日々、藁の日々」
「とどろき平」
360'recordsでは、ラファティ作品を好きな音楽家による、コンピレーション『TRIBUTE TO ラファティ』を,関連レーベルである「drifter」からリリースしています。contact:info@360records.net
tontataさん(女性)
「町かどの穴」
「公明にして正大」
「せまい谷」
読み進めるうちに終わりの予想がつくがお話として文句なしに面白い。(町かどの穴)
勧善懲悪。小悪党の2人がちょっと哀れになるくらい。しかしシャロンは見る目がない。クリスよりコリンの方がずっといいと思う。(公明にして正大)
運命の神をごまかす底抜けの明るさに敬意を表して。(せまい谷)
次点でとどろき平、トライトゥリメンバー、他多数。
短編としての質は全編楽々クリアしているので本当は一律ベスト1で50話ほど埋まりそうです。
ささりんどうさん(ささりんどう流星火)(34歳・女性)
「日の当たるジニー」
「秘密の鰐について」
「その町の名は?」
3つに絞るのはほんとに大変ですね…。
これで長編も入っていたら、「パスト・マスター」も入れたいし。
"恐るべき子供たち" テーマはラファティにたくさん出てきますが、
「日の当たるジニー」はSF味付けが上手くて、思わずぞっとしました。
「秘密の鰐について」もしかしてほんとに…、と思わせられる
ほら話っぷりが大好きです。
「その町の名は?」やはり研究所シリーズから一編。
おいおい、笑い事じゃないだろ!とツッコミたくなる話ですが、
最後のワンシーンで出番を待っている機械の健気さが好きです。
(また出番があったらそれはそれで大変だろう!)
ピンと来なかった作品は「ダマスカスの川」ですかね。
元の史実をよく知らないせいかもしれませんが。
ピンと来た表紙(そんなアンケートはやってませんが)は、
『九百人のお祖母さん』の文庫版。平積み状態を見て、
本屋さんで固まってしまったのは私だけじゃないですよね?
(名表紙だと思ってますが。(^^;;)
未訳作品アンケート:
ヴェリコフ・ヴォンクのファンなので、是非彼の出てくる作品を。
けんけんさん(31才・男性・会社員)
「秘密の鰐について」
「巨馬の国」
「ブリキ缶に乗って」
1「秘密の鰐について」
・作品自体の面白さもさることながら、『ギャラクシー』のアンソロジーに寄せられたラファティの覚え書きが力強くていい文章です。ラファティのエッセイにしては読みやすい?
2「巨馬の国」
・この作品を読んで、人々が突然一斉に歩き出すというような話が、オレは好きなんだなということに改めて気付きました。もうこれだけでオチなんか無くていいくらい。だから、ウィリアム・テンの「レモン緑と、スパゲッティー音声と、ダイナマイトドリブルの一日」なんかも好きです。
3「ブリキ缶に乗って」
・いやもう、これは何と言っていいのか。それなりに才能のある作家でも、こういう題材を扱えば、軽々と凡庸な作品を書いてしまいそうな気がしますが、神話的な伝承から救いのない現状へとズルリと滑り込む語りが圧倒的で震えが来ました。彼女にこの一編だけ試しに読ませてみたら、なんでこんな怖い小説を読ませたのかと、しばらく恨み言を言われ続けたものです。
ピンとこない短編
「九百人のお祖母さん」
オチで一番はぐらかされた感じがする作品でした。ラファティはこういうものなんだろうと腹に据えているので気になりませんが、はっきりしたオチがないと納得しないような人には案外勧めづらい作品でしょうか。
「断崖が笑った」
これは全く分かりませんでした。語り口の豊穣さがあるので苦痛には感じません
でしたが。
ラファティにはオチが分かりづらい作品は多いですが、最近アシモフ他編集のアンソロジーで、ショートショートを続けて200本ほど読んでつくづく感じたことは、「(ショートショートでさえ)オチだけではすぐれたSFは書けない」ということでした。
そういう意味ではオチで成立させていないラファティの短編は、分からなくても好きです。
読んでみたい未訳作品
このサイトのリストを参考にさせていただきました。
The Hand with One Hundred Fingers
Unique Adventure Gone
The Most Forgettable Story in the World
Or Little Ducks Each Day
あたりをまず読みたいですね。「秘密の鰐」系に寄ってるかもしれません。
habuさん(28才・男性・学生)
「山上の蛙」
「ブタっ腹のかあちゃん」
「うちの町内」
読み始めてまだ日が浅いので、「九百人のお祖母さん」、「どろぼう熊の惑星」、「つぎの岩につづく」に収録された作品しか読んでませんが、最近「地球礁」を手に入れました。
ラファティ以外ではレムの「ロボット物語」とかイタロ・カルヴィーノの「レ・コスミコミケ」とかが好みです。
短編ベスト3
ラファティの描く聖なる荒々しさ(?)が出ている作品が特に好きです。
1.「山上の蛙」 ラストの「二人は終末論的憤怒に歯噛みしながら・・・」のくだりが最高。チャボとの水面下の争いがよい。こういう油断のならない相手との駆引きがいいですね。
2.「ブタっ腹のかあちゃん」 ジョー・スペードの話通じてない感が絶妙ですね。
浅倉久志ならではの、脳天気師とかべた足の天才とか合切袋担げ長いわらじ履けとか、一度原文を読んでみたいと思わせる名訳だと思います。
名訳といえば
3.「うちの町内」に出てくるはぐらかし姉ちゃんの口調もよいですね。これは別に荒々しくはないですが、ああいうおとぼけも魅力のひとつだと思います。
ついでにアンケート
1.ピンとこなかった作品
「つぎの岩につづく」
2.読んでみたい未訳作品
カミロイ人の出てくるシリーズをもっと読みたいです。
知久佳弘さん(41歳・男性・公務員)
「田園の女王」
「寿限無、寿限無」
「ぴかぴかコインの湧きでる泉」
“節”を持った語り手が、好きなのだと思います。
ラファティは、無論大好きなのですが、じゃあおまえが好きなのは“どの”ラファ
ティかといわれると、個々のタイトルには意外に執着がないような気もします。
全部ひっくるめてラファティということで。
同じ問に明日答えたら、全然違うのを3つ挙げてるかもしれません。
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