いろんな作品に挿入される
謎の歴史家、アーパッド・アルティノフ(Arpad Arutinov)
著すところの、歴史の裏口(The Back Door of History)について
その謎を探っていこう、という企画です。
"The Back Door of History"は、'88にUnited Mythologies Pressから同題の短編集が上梓されているが、これは主にニュージーランドやドイツの雑誌等で発表されたレアな作品を集めたもの。収録作6編中、2編でアーパッド・アルティノフからの引用が挿入されているが、他の作品でもマルコポーロの秘史を扱ったもの(Six Leagues from Lop)等、本タイトルが流用されたのも納得できる。
(現時点では未読の作品もあり確実に言い切ることはできないのだが)アーパッド・アルティノフが何者かという記載はラファティの作品中にはなく、著作の内容から推察されるのは歴史家であろう、ということだ。ネットで検索しても全くひっかかってこないし、The Effigy Historiesには、コスモ・クラブでエフィジィ少年と邂逅したとのコメントも挿入されており、ラファティの創造した人物と考えてまず間違いないだろう。
本企画では、いろんな作品に挿入された"The Back Door of History"の断章を紹介し、追々それを検証していく予定。(やってる本人が世界史に疎いため先行きに若干の不安がありますが、ま、とりあえずやってみましょうか。)
ソクラテスの毒盃による死はなかった(Rainy Day in Halicarnasses)
闘争の敗者は衰亡するのみ(Assault on Fat Mountain)
イスラム勢力拡大の謎(ダマスカスの川)
化石燃料は何処からきたのか?(For All Poor Folks at Picketwire)
オーストラリアの特異な生物相(And Some in Velvet Gowns)
歴史は今や逆戻りを始めた!(The End of Outward)
"偏見"に込められた偏見(Or Little Ducks Each Day)
天使の尻尾(Episodes of the Argo)
悪霊"Stoicheio"について(The Elliptical Grave)